「助産師って、赤ちゃんを取り上げる仕事でしょ?」
助産師と聞くと、分娩介助をイメージする方が多いかもしれません。
もちろん、分娩介助は助産師の大切な仕事のひとつです。
でも実際には、妊娠中の保健指導、分娩中のケア、産後の授乳や育児相談、赤ちゃんのお世話など、仕事内容はとても幅広いんです👩🏻⚕️
さらに病院では、経腟分娩だけでなく、帝王切開の前後や手術中の赤ちゃんのケアにも関わります。
今回は、病院で働く助産師が実際にどんな仕事をしているのか、現役助産師の目線から紹介します。
妊婦さんの状態を確認する
入院中の妊婦さんを担当するときは、まずお母さんと赤ちゃんの状態を確認します。
血圧や体温などの測定だけではなく、
- お腹の張りや痛み
- 出血の有無
- 赤ちゃんの心拍
- 胎動
- 妊娠週数やこれまでの経過
- お母さんの体調や気持ち
など、さまざまな情報を確認します。
ただ測定するだけではなく、**「今、この妊婦さんはどんな状態なのか」**を考えながら観察することが大切です。
ちょっとした変化に気づき、必要なときには医師などに報告して対応につなげることも助産師の重要な役割です。
妊婦さんへの保健指導
助産師の仕事のひとつが、妊婦さんへの保健指導です。
妊娠中の生活について相談に乗ったり、出産に向けて準備することを説明したりします。
例えば、
「妊娠中の食事はどうしたらいい?」
「お腹が張るけど大丈夫?」
「出産準備は何をしたらいい?」
「母乳で育てたいけど、今からできることはある?」
など。
妊婦さんによって不安や悩みは違います。
その人の生活や体調、希望などを聞きながら、必要な情報を伝えたり、一緒に考えたりします。
分娩介助は助産師の代表的な仕事
そして、やっぱり助産師の代表的な仕事といえば分娩介助です。
陣痛が始まってから赤ちゃんが生まれるまで、お母さんと赤ちゃんの状態を確認しながら分娩をサポートします。
陣痛の間隔や強さを確認したり、赤ちゃんの心拍を確認したり、妊婦さんが少しでも楽に過ごせる姿勢や呼吸を一緒に考えたり。
分娩が進んできたら、赤ちゃんが安全に生まれてくるようにサポートします。
そして赤ちゃんが生まれた後も、お母さんと赤ちゃんの状態を確認しながら必要なケアを行います👶🏻
「赤ちゃんを取り上げる」というイメージが強いですが、実際には分娩の経過全体を見ながら、お母さんと赤ちゃんの安全を守ることが助産師の大切な役割です。
分娩は助産師1人で行っているわけではない
実は、お産のときも助産師が1人ですべてを行っているわけではありません。
経腟分娩でも、状況に応じてそれぞれ役割を分担してチームで動きます。
例えば、
- お産を直接介助する人
- 点滴などの管理をする人
- 分娩の経過を記録する人
- 生まれた赤ちゃんの状態をみる人
- 必要に応じて医師へ報告・連携する人
など。
特に赤ちゃんが生まれた直後は、赤ちゃんの状態を確認するスタッフも重要です。
必要があれば、新生児の蘇生処置を行います。
つまり、「助産師が赤ちゃんを取り上げて終わり」ではなく、チームでお母さんと赤ちゃんの安全を守っているんです。
帝王切開にも助産師が関わります
「助産師=経腟分娩」というイメージがあるかもしれませんが、帝王切開でも助産師は関わります。
帝王切開の前には、お母さんの状態を確認したり、手術に向けた準備をしたりします。
手術後も、出血や体調などを確認しながら、お母さんの回復をサポートします。
そして施設や体制によっては、手術室に助産師が入り、生まれた赤ちゃんの状態を確認したり、必要に応じて蘇生処置を行ったりすることもあります。
帝王切開だから助産師の出番がない、というわけではありません。
お母さんと赤ちゃんの両方を支えるために、手術の前から後まで関わっています👩🏻⚕️👶🏻
産後のお母さんのケア
赤ちゃんが生まれたら、助産師の仕事は終わりではありません。
産後のお母さんの身体の回復を確認することも大切な仕事です。
出血の量や子宮の戻り具合、傷の状態、体調などを確認しながら、産後の生活についてもサポートします。
また、出産後はホルモンの変化や慣れない育児などで、不安になったり気持ちが不安定になったりすることもあります。
身体だけではなく、お母さんの気持ちや不安にも寄り添うことも助産師の大切な仕事です。
授乳のサポート
産後の相談で特に多いのが、授乳についての悩みです🍼
「赤ちゃんがうまく吸ってくれない」
「母乳が足りているか心配」
「授乳すると乳首が痛い」
「ミルクをどのくらい足したらいい?」
など、悩みは人それぞれ。
赤ちゃんの飲み方や体重、お母さんのおっぱいの状態などを確認しながら、その人に合った授乳方法を一緒に考えます。
母乳だけにこだわるのではなく、お母さんと赤ちゃんにとって無理のない方法を探すことも大切です。
赤ちゃんのお世話や育児指導
助産師は赤ちゃんのケアにも関わります。
沐浴の方法を説明したり、おむつ交換や抱っこの仕方を一緒に練習したり。
退院後に赤ちゃんとの生活が始まっても困らないように、育児についての相談にも乗ります。
「こんなこともできないと退院できないのかな……」
と不安になる方もいますが、最初から完璧にできる必要はありません。
一緒に練習しながら、少しずつできることを増やしていきます😊
助産師だけでなく看護師も一緒に働いています
産科病棟で働いているのは助産師だけではありません。
看護師も妊婦さんや産後のお母さん、赤ちゃんのケアに関わっています。
例えば、日常生活の援助や状態観察、点滴管理、手術前後の看護など、看護師としての専門性を活かしてさまざまなケアを行います。
一方で、助産師には助産師としての専門性があります。
日本では、正常な経過の妊産婦に対する助産や分娩介助など、助産師の専門的な知識・技術が必要となる業務があります。
そのため、助産師と看護師がそれぞれの専門性を活かして協力しているんです。
お医者さんはいつ来るの?
「病院で出産するなら、ずっと先生がそばにいるのかな?」
と思う方もいるかもしれません。
もちろん、妊娠・分娩の経過にリスクや合併症がある場合は、医師が早い段階から診察や治療に関わります。
一方で、施設の体制にもよりますが、経過が順調な正常分娩では、助産師が中心となってお産を見守ることがあります。
そのため、ずっと医師がそばにいるとは限りません。
「先生が来た!」と思ったら、いよいよ赤ちゃんが生まれるタイミングだった……なんてことも😂
もちろん、必要なときにはすぐに医師へ報告し、連携して対応します。
だからこそ、妊婦さんが陣痛中に助産師と一緒に過ごす時間は意外と長いんです。
陣痛が始まってから、赤ちゃんが生まれるまでの長い時間を一緒に過ごす。
それも助産師の大切な役割だと思っています。
助産師の仕事は「お産だけ」じゃない
ここまで紹介したように、助産師の仕事は本当に幅広いです。
妊娠中は保健指導や出産準備のサポート。
分娩では、お母さんと赤ちゃんの状態を見ながらお産をサポート。
帝王切開では手術の前後や、場合によっては手術室で赤ちゃんのケア。
産後は授乳や育児の相談、お母さんの身体と心のケア。
そして退院後の生活を見据えた支援まで行います。
病院によって仕事内容や役割には違いがありますが、共通しているのは、妊娠・出産・育児という大きなライフイベントに寄り添うこと。
「助産師=赤ちゃんを取り上げる人」というイメージが少しでも変わって、助産師の仕事の幅広さを知ってもらえたら嬉しいです👩🏻⚕️🩷
👩🏻⚕️ 助産師って何してる?シリーズ
助産師の仕事について、もっと詳しく知りたい方はこちらの記事もどうぞ👇🏻
・助産師ってどんな仕事?看護師との違いを助産師が解説
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・助産師の1日|病院の日勤・夜勤は何をしている?
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