助産師はどこで働く?病院・クリニック・助産院の違いを解説🏥

妊娠・出産

「助産師って、産婦人科のクリニックで働いているイメージがある」

そんな方も多いのではないでしょうか?

実は助産師が働く場所は、産婦人科クリニックだけではありません。

病院の規模や役割によって、一次・二次・三次の周産期医療施設に分かれており、助産師の仕事内容や、そこで受けられる医療も大きく異なります。

私はこれまで、一次・二次・三次のすべての施設で助産師として働いた経験があります。

それぞれにメリット・デメリットがあり、働いてみて初めて分かったこともたくさんありました。

今回は、現役助産師の経験をもとに、それぞれの違いを紹介します👩🏻‍⚕️

※施設によって設備や対応できる妊娠週数、受け入れ基準などは異なります。

そもそも一次・二次・三次って?

周産期医療では、妊婦さんや赤ちゃんの状態・リスクに応じて、必要な医療を受けられるように施設同士が連携しています。

ざっくり分けると、

一次施設
→ 正常経過の妊娠・出産を中心に対応

二次施設
→ 一次施設よりもリスクの高い妊娠・出産に対応

三次施設
→ 高度な医療が必要な母体・赤ちゃんに対応

というイメージです。

もちろん実際には施設ごとに役割や受け入れ基準が違います。

では、それぞれどんなところなのでしょうか?

🏥 一次施設|クリニック・産科病院など

一次施設は、産婦人科クリニックや産科病院などに多く、正常経過の妊娠・出産を中心に対応する施設です。

妊婦健診から分娩、産後のケアまで一貫して行っているところもあれば、妊婦健診や産後ケアを中心に行い、分娩を取り扱っていない施設もあります。

最近は分娩を取り扱う施設自体が減っているため、以前よりも「お産ができる施設」が貴重になっていると感じます。

🍽️ 一次施設ならではの魅力

一次施設の特徴のひとつは、食事や産後のサービスが充実している施設が多いこと。

例えば、

  • 産後の食事に力を入れている
  • エステなどのサービスがある
  • 妊娠中の教室が充実している
  • 産後のママ向けのサークルがある
  • 家族向けのサービスがある

など、施設ごとにさまざまな工夫があります。

「ここで出産したい!」と思ってもらえるように、食事やサービスなどで他の施設との差別化を図っているところも多いです。

助産師の仕事として一般の方がイメージするのも、こうしたクリニックや産科病院での仕事が一番近いかもしれません。

👶 一次施設のメリット

正常経過の妊婦さんが中心なので、助産師が主体となってお産に関われる機会が多いことが魅力です。

私自身も、「とにかくたくさんお産を取りたい!」と思って一次施設に入職しました😂

妊娠中から産後まで、同じ施設で長く関わることができるのも魅力のひとつです。

⚠️ 一次施設のデメリット

一方で、設備や人員には限界があります。

分娩中にお母さんや赤ちゃんにリスクが出てきた場合、その施設では対応できないと判断されれば、より大きな病院へ搬送することがあります。

例えば、

  • お母さんの出血が多い
  • 赤ちゃんの状態が悪くなった
  • 分娩経過に大きな問題が起きた
  • 輸血など高度な処置が必要になった

など。

赤ちゃんの状態によっては、赤ちゃんを受け入れられる施設へ搬送することもあります。

施設によっては、必要時に大きな病院から専門の医師が駆けつけてくれる体制を取っている場合もあります。

私自身、一次施設で働いていたときに大学病院へ搬送する場面を何度も経験しました。

「この先では、どんな治療が行われているんだろう?」

そう思うようになり、搬送された先での医療をもっと学びたいと思ったことが、現在大学病院で働くきっかけのひとつになりました。

🏥 二次施設|地域の中核となる病院など

二次施設では、一次施設では対応が難しいようなある程度リスクのある妊娠・出産にも対応します。

例えば、合併症のある妊婦さんや、一次施設から搬送されてきた妊婦さんを受け入れることがあります。

ただし、二次施設だからすべてのリスクに対応できるわけではありません。

NICU(新生児集中治療室)がない施設もあり、何週から分娩を受け入れるかなどの基準が決められていることもあります。

🩺 二次施設のメリット

一次施設よりも、さまざまな合併症を持つ妊婦さんを診る機会が増えます。

私自身、二次施設で働いたことで、合併症のある妊婦さんについての知識や経験を深めることができました。

一次施設から搬送されてきた妊婦さんを受け入れることもあるので、

「なぜ搬送が必要になったのか」

「その後、どのような管理をするのか」

という流れを学べるのも大きな経験でした。

⚠️ 二次施設の特徴

一次施設と比べると、食事や産後サービスなどの「付加価値」は少ない傾向があります。

もちろん施設によって違いますが、二次施設の大きな役割は、より安全に妊娠・出産を管理することだからです。

「ホテルみたいな産後サービス」よりも、必要な医療をしっかり受けられることが重要になります。

🏥 三次施設|大学病院・総合周産期母子医療センターなど

三次施設は、より高度な周産期医療が必要な妊婦さんや赤ちゃんを受け入れる施設です。

MFICU(母体・胎児集中治療室)やNICU(新生児集中治療室)などを備えている施設もあります。

総合周産期母子医療センターなどが代表的ですね。

私が現在働いているのも、この三次施設にあたります。

🚑 三次施設の強みは「スタッフの体制」

三次施設の大きな強みは、やはり緊急時の医療体制だと思います。

母体や赤ちゃんに何かあった場合には、

  • 産婦人科
  • 小児科
  • 麻酔科
  • 救命
  • ICU

など、さまざまな専門の医師やスタッフが連携して対応します。

緊急時には必要な専門スタッフが集まり、お母さんと赤ちゃんの命を救うためにチームで対応することができます。

一次施設で働いていた頃に搬送していた患者さんが、その先でどんな医療を受けているのか。

それを実際に学べるようになったのは、私自身にとって大きな経験でした。

🧬 生殖医療などに関わることも

三次施設では、高度な周産期医療だけでなく、施設によっては生殖医療や不妊治療にも力を入れているところがあります。

不妊治療を受けて妊娠した方が、その後の妊娠経過を診てもらうこともあります。

妊娠するまでだけではなく、妊娠後のスクリーニングや分娩まで、さまざまな段階で専門的な医療につながっていきます。

🤝 セミオープンシステムという選択肢も

最近は、セミオープンシステムを取り入れている施設もあります。

これは、妊婦健診などは自宅から通いやすい一次施設などで受け、分娩は設備の整った大きな病院で行うというような連携の仕組みです。

妊婦さんにとっては、

「普段の健診は近くのクリニックで受けたい」

でも、

「出産は大きな病院で安心してしたい」

という希望を両立しやすくなります。

また、無痛分娩などでは麻酔科医がいる施設のほうが安心できるケースもあります。

こうした施設同士の連携によって、妊婦さんが自分に合った場所で妊娠・出産を過ごせる選択肢も広がっています。

🏡 助産院|助産師が中心となってお産をサポート

助産院も、助産師が働く場所のひとつです。

助産院では、正常な経過の妊娠・出産を対象に、助産師が中心となって妊婦さんのケアや分娩介助を行います。

病院やクリニックとは違い、医師が常駐しているわけではありません。

そのため、妊娠経過や分娩中に医療的な処置が必要になった場合には、医療機関へ搬送するなど、病院と連携して対応します。

助産師とじっくり関わりながら、できるだけ自然な形で出産したいという方にとって、魅力的な選択肢のひとつです🌿

一方で、対応できる妊娠・出産には条件があり、すべての妊婦さんが利用できるわけではありません。

「助産院で産みたい」と考えている場合は、自分の妊娠経過や希望している出産方法が対象になるか、早めに確認しておくと安心です☺️

🩷 結局、どこで産むのがいいの?

ここまで読んで、

「じゃあ結局、一次・二次・三次のどこが一番いいの?」

と思うかもしれません。

でも、どこが一番いいとは一概には言えません。

一次施設には、助産師と一緒にゆっくりお産に向き合える魅力や、食事・産後サービスなどの魅力があります。

二次施設には、ある程度のリスクに対応できる医療体制があります。

三次施設には、より高度な医療や、多職種・多診療科による手厚いバックアップがあります。

それぞれにメリットとデメリットがあります。

そして、妊婦さんによって「大切にしたいこと」も違います。

「自然なお産をしたい」
「食事や産後のサービスを重視したい」
「合併症があるから設備を重視したい」
「無痛分娩を希望している」
「赤ちゃんに何かあったときの医療体制を重視したい」

など。

自分がどんな出産をしたいのかを考えて、施設を選ぶことが大切です。

ただ、出産は人生で何度も経験するものではなく、そして何が起こるか分からないものでもあります。

だからこそ、希望を大切にしながらも、**「もし何かあった場合には、どこまで対応できる施設なのか」**という視点も持っておくといいと思います。

難しいところですけどね😂

👩🏻‍⚕️ 助産師として働いてみて思うこと

私は一次・二次・三次、すべての施設で働いてきました。

最初は「たくさんお産を取りたい!」と思って一次施設へ。

そこでたくさんのお産を経験して、次は「合併症のある妊婦さんについてもっと学びたい」と二次施設へ。

そして、一次施設から大学病院へ搬送されていく妊婦さんを見て、

「搬送された先では、どんな医療が行われているんだろう?」

と興味を持ち、現在は三次施設で働いています。

実際にそれぞれの施設で働いてみると、「どこが優れている」というより、それぞれ役割が違うんだと感じます。

妊娠・出産を支えるためには、一次・二次・三次の施設がそれぞれの役割を果たし、必要なときに連携することが大切なんです。

そして、その中で助産師も、それぞれの場所で妊婦さんと赤ちゃんを支えています👩🏻‍⚕️🩷

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