助産師として働く中で、妊婦健診後に
「貧血と言われました…」
「鉄剤が処方されました」
という声をよく聞きます。
妊娠中は赤ちゃんの成長やお母さんの体の変化によって、鉄分が不足しやすい時期です。
今回は、妊娠中に鉄分が大切な理由や、毎日の食事で意識したいポイントについてお伝えします。
妊娠中はなぜ鉄分が必要?
鉄は、赤血球のヘモグロビンを作るために欠かせない栄養素です。
ヘモグロビンには、肺から取り込んだ酸素を全身へ運ぶ大切な役割があります。
妊娠すると、
・赤ちゃんへ酸素や栄養を届けるため
・胎盤やへその緒を作るため
・お母さん自身の血液量が増えるため
妊娠前よりも多くの鉄分が必要になります。
特に妊娠中期から後期は鉄の必要量が増えるため、普段以上に意識して摂ることが大切です。
鉄分が不足すると…
鉄分が不足すると貧血になり、
・疲れやすい
・めまい
・立ちくらみ
・動悸
・息切れ
などの症状が現れることがあります。
「妊娠中だから仕方ないのかな」と思っていたら、実は貧血だったという方も少なくありません。
病棟でも、健診で初めて貧血が分かる妊婦さんをよくお見かけします。
症状がなくても鉄不足になっていることがあるため、毎日の食事から意識することが大切です。
鉄分を効率よく摂るポイント
鉄には2種類あります。
🥩🐟ヘム鉄
肉や魚などの動物性食品に含まれる鉄です。
吸収率が高く、効率よく摂取できます。
🥬🫘非ヘム鉄
ほうれん草や小松菜、大豆製品など植物性食品に含まれる鉄です。
ヘム鉄に比べると吸収率が低いため、食べ合わせを工夫すると吸収率がアップします。
例えば、
・ビタミンC(いちご、キウイ、ブロッコリー、ピーマンなど)
・動物性たんぱく質(肉・魚・卵)
・有機酸(トマト、梅干し、酢、ヨーグルトなど)
を一緒に摂ることで、鉄の吸収を助けてくれます。
一方で、お茶やコーヒーに含まれるタンニンは鉄の吸収を妨げることがあります。
食後すぐではなく、少し時間を空けて飲むのがおすすめです。
鉄分が多い食品
鉄分を多く含む食品には、
・赤身の肉
・かつお
・まぐろ
・あさり
・小松菜
・ほうれん草
・大豆製品
などがあります。
レバーは鉄分が豊富ですが、ビタミンAも多く含まれているため、妊娠中は食べ過ぎに注意しましょう。
産後も鉄分は大切
出産では多くの方が出血を経験します。
そのため、産後も鉄分を意識して摂ることはとても大切です。
鉄不足は産後の疲れやすさだけでなく、産後うつとの関連が指摘されている研究もあります。
授乳中も血液を作るために鉄分は必要になるため、産後もバランスの良い食事を心がけましょう。
まとめ
妊娠中は赤ちゃんの成長やお母さんの体の変化によって、鉄分が不足しやすくなります。
毎日の食事で鉄分を意識しながら、ビタミンCやたんぱく質と組み合わせることで、より効率よく摂取できます。
健診で貧血を指摘された場合は、食事だけで補うことが難しいこともあります。
その際は医師の指示に従って鉄剤を使用し、無理なく鉄分を補っていきましょう。
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