「子宮口が3cm開いています」
「もうすぐ全開大ですね」
「子宮口が10cmになりました!」
妊婦健診や分娩中に、こんな言葉を聞くことがありますよね。
でも、
「そもそも子宮口ってどこ?」
「10cmってどのくらい?」
「10cmになったらすぐ赤ちゃんが生まれるの?」
と疑問に思う方も多いと思います。
今回は、助産師として分娩に関わってきた経験から、子宮口が開いていく仕組みや、お産の進み方について分かりやすく解説します👩🏻⚕️🌿
🤰「子宮口が開く」ってどういうこと?
そもそも「子宮口」とは、子宮の出口の部分です。
妊娠中は赤ちゃんが出てこないように閉じていますが、分娩が進むにつれて少しずつ開いていきます。
イメージしにくいですよね😂
私は妊婦さんに説明するときは、よく簡単な絵を描いて説明しています📝
お産が進んで赤ちゃんが少しずつ下がってくると、それに伴って子宮の出口も少しずつ開いていきます。
最終的には、赤ちゃんの頭が通れるくらいまで開く必要があります。
それが、
「子宮口10cm=全開大」
という状態です。
👶🏻 お産は「分娩三要素」がそろって進んでいく
分娩には、**「分娩三要素」**と呼ばれるものがあります。
① 娩出力
赤ちゃんを外へ押し出す力。
主に陣痛や、分娩時のいきむ力などです。
② 娩出物
外へ出てくるもの。
赤ちゃんや胎盤などが含まれます。
③ 産道
赤ちゃんが通ってくる道。
子宮・子宮口・腟などが含まれます。
この3つが関わり合いながら、お産は進んでいきます。
つまり、
「子宮口が開けばお産が進む!」
という単純なものではありません。
陣痛の強さや赤ちゃんの大きさ・向き・位置、産道の状態など、いろいろな要素が関係しています。
👩🏻⚕️ 助産師は内診で何を見ている?
分娩中、助産師が行うことのひとつが内診です。
内診では、子宮口を触って、
- 子宮口が何cm開いているか
- 子宮口の柔らかさ・熟化の程度
- 赤ちゃんの頭がどのくらい下がっているか
- 赤ちゃんの頭の向き
- 産道の状態
などを確認しています。
「子宮口○cm」という数字だけを見ているわけではありません☝🏻
同じ5cmでも、子宮口の柔らかさや赤ちゃんの位置・向きなどによって、お産の進み方は変わります。
そのため、
「5cmだからあと○時間!」
と単純に予測することはできないんです。
📏 子宮口3cmってどんな状態?
3cmくらいまで開いてくると、
「いよいよお産がスタートしてきたな」
という段階です。
ここまで来るのにも、初産婦さんでは長く陣痛と付き合うことがあります😣
一方、経産婦さんの場合は、
「外来で診察してみたら、気づいたら3cm開いてた!」
なんてこともあります😂
一度お産を経験していると、子宮口が開いていくスピードが初産婦さんとは違うこともあります。
📏 子宮口5cmになると?
5cmくらいになると、お産にだいぶ勢いがついてきたと感じることが多いです。
あくまでイメージですが、
- 初産婦さんなら、お産の進みが半分くらい
- 経産婦さんなら、さらに先まで進んでいる
というイメージ。
ただし、ここも個人差がかなりあります。
「5cmになったからもうすぐ!」とは限りません。
陣痛の状態や赤ちゃんの下降など、ほかの要素も合わせて判断します👩🏻⚕️
📏 子宮口8cmになると?
8cmくらいまで来ると、かなりお産が進んできています。
特に経産婦さんは、一度赤ちゃんが産道を通った経験があるため、ここから急速に進むこともあります。
そのため、経産婦さんでは8cmくらいで分娩の準備に入ることも。
初産婦さんでも、
「いきみたい!」
という感覚が出てくることがあります。
ただ、まだ子宮口が全開大になっていない場合は、基本的には医療者の指示に合わせて、いきみを逃していきます。
🎉 いよいよ子宮口10cm!「全開大」
そして、子宮口が10cmまで開くと「全開大」です。
赤ちゃんの頭は、赤ちゃんの体の中でも特に大きな部分。
その頭が産道を通って出てくるためには、子宮口が十分に開く必要があります。
ここまで来ると、いよいよ赤ちゃんが生まれる段階へ!
一般的には、子宮口が全開大になり、赤ちゃんがさらに下降してくるのに合わせて、いきむことを開始します。
「やっとここまで来たーー!!😭」
という瞬間です。
💪🏻 10cmになったらすぐ生まれる?
ここ、意外と勘違いされやすいポイントです。
子宮口10cm=赤ちゃんがすぐ生まれる
ではありません。
10cmになってからも、赤ちゃんがさらに産道を下がってくる必要があります。
赤ちゃんはただ真っすぐ落ちてくるわけではありません。
頭の向きを変えたり、少しずつ下降したりしながら、産道を通ってきます。
そのため、
「10cmになったのに、まだ生まれない!」
ということも珍しくありません。
赤ちゃんを出すって、そんなに簡単じゃないんです😂
押したり、少し休んだりしながら、少しずつ赤ちゃんが下がってきます。
⏰ 全開大になってからどのくらいで生まれる?
子宮口10cmになってから赤ちゃんが生まれるまでの時間を、分娩第2期といいます。
時間には個人差があります。
特に、
- 初産婦か経産婦か
- 陣痛の強さ
- 赤ちゃんの向きや下降
- 麻酔の有無
- ママと赤ちゃんの状態
などによって変わります。
一般的な目安として、初産婦さんでは2時間程度、経産婦さんでは1時間程度がひとつの基準になります。
ただし、これはすべての人に当てはまる「タイムリミット」ではありません。
状況によっては経過を見ながら、さらに時間をかけて赤ちゃんを待つこともあります。
💉 無痛分娩だとお産の進み方は変わる?
ここは大事なポイントです☝🏻
無痛分娩では、通常の分娩とは少し経過が違ってくることがあります。
硬膜外麻酔などによって陣痛の痛みを和らげるため、
「いきみたい!」
という感覚が分かりにくくなることがあります。
そのため、麻酔の効き具合や施設の方針によって、子宮口が全開大になってから、赤ちゃんを押し出すタイミングを調整することもあります。
また、無痛分娩では分娩第2期が長くなることもあります。
そのため、
「初産婦は2時間、経産婦は1時間だから、それを超えたら絶対に異常!」
というわけではありません。
無痛分娩では麻酔の状況なども含めて、ママと赤ちゃんの状態を見ながら分娩を進めていきます。
無痛分娩を予定している方は、**「自分の産院では全開大になってからどう進めるのか」**を事前に聞いておくと安心ですね☺️
🌸 「子宮口○cm」だけで一喜一憂しなくて大丈夫
分娩中、
「まだ3cm……」
「やっと5cm!」
「8cmまで来た!」
と、どうしても数字が気になりますよね。
でも、助産師が見ているのは子宮口の数字だけではありません。
陣痛・子宮口の状態・赤ちゃんの位置や向き・母体と赤ちゃんの状態。
いろいろな情報を合わせて、お産がどのように進んでいるのかを判断しています。
だから、
「5cmなのに全然進んでない😭」
と落ち込まなくても大丈夫。
数字だけでは分からないところで、赤ちゃんもちゃんと頑張っています👶🏻🩷
👩🏻⚕️ 助産師からひとこと
「子宮口10cm」と聞くと、
「あとちょっと!すぐ生まれる!」
と思うかもしれません。
でも実際には、10cmになってからも赤ちゃんが生まれるまでには大切な時間があります。
赤ちゃんは自分で向きを変えながら、ママの陣痛といきむ力に助けてもらって、少しずつ産道を進んできます。
分娩中は、
「○cmだからあと○時間」
とはなかなか言えません。
一人ひとりのお産の進み方は違います。
助産師は子宮口の開きだけではなく、赤ちゃんの状態や下降、向き、陣痛などを総合的に見ながら、お産をサポートしています👩🏻⚕️🌿
👶🏻「分娩ってどう進む?」シリーズ
次回は、**「おしるし・破水・陣痛の違い」**について解説します📝
・陣痛ってどんなもの?痛みの特徴とお産が始まるサインを助産師が解説
・おしるし・破水・陣痛の違いは?お産が始まったときの目安を解説
・分娩第1期・第2期・第3期とは?お産の3つのステージを助産師が解説
・内診では何を見ている?子宮口の開き・赤ちゃんの位置を助産師が解説
・分娩台に上がってから何をする?赤ちゃんが生まれるまでの流れを解説
・赤ちゃんが生まれた後、ママと赤ちゃんに何をする?出産直後の流れを解説
・出産予定日を過ぎたらどうなる?予定日超過と分娩誘発について助産師が解説


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